AIはCOAをどう判定するのか:COAガーディアンの判定ロジック
この記事の要点
- COAガーディアンはPDF読み取り→数値抽出→単位正規化→区分別限度値照合→ラボ照合→総合判定の5段階で処理します
- THCの規制適合計算はAIの自由記述ではなく、決定論的なロジックで別途処理する二重チェック構造です
- 現在はベータ版・無料提供中で、判定結果はあくまで参考情報です
COAガーディアンはCOAの何を読み取っているのか?
COAガーディアン(COA Guardian Japan)は、CBD・カンナビノイド製品のCOA(分析証明書)PDFをアップロードすると、AIが内容を読み取り、日本の規制への適合性を数分以内に判定するツールです。当事者として実際にどのような処理を行っているのか、判定ロジックの全体像を解説します。
なお、判定精度には限界があり、過信は禁物です。詳しくはAI COAチェックの限界もあわせてご確認ください。
判定の5ステップ
COAガーディアンの判定処理は、大きく次の5段階に分かれます。
- PDF読み取り: アップロードされたCOAのPDF原本を解析します。埋め込みテキストデータを優先的に利用し、画像化されたPDFでも可能な範囲で数値を読み取ります
- 数値抽出: Δ9-THC・Δ9-THCAの実測値、LOD(検出限界)、検査機関名、ISO認定情報などを構造化データとして抽出します
- 単位正規化: %・mg/kg・ppmなど記載単位が混在していても、すべてppmに統一して比較できる形に変換します
- 製品区分別限度値との照合: 製品カテゴリ(油脂・粉末・水溶液・その他)を推定し、それぞれに対応する残留限度値(10ppm/0.1ppm/1ppm)と比較します
- ラボ・検査機器情報の照合: ISO/IEC 17025認定の有無、厚生労働省の検査可能機関リスト掲載状況を確認します
これらの結果を統合し、Amazon・楽天市場での出品可否の目安を含めた総合リスクレベル(低・中・高)を提示します。
AIだけで判定しているのか?決定論ロジックとの二重チェックとは
COAガーディアンの設計上の特徴は、AIによる読み取りと、規制適合性の計算処理を分離している点です。
PDFからの数値抽出や検査機関情報の読み取りにはAI(Gemini)を使いますが、抽出された数値をもとにTotal THCを計算し、製品区分別の限度値と比較して適合・不適合を判定する部分は、AIの自由な文章生成に任せず、あらかじめ定義された決定論的な計算ロジックで処理します。
具体的には、Total THC = Δ9-THC + Δ9-THCA × 0.877 という固定式や、LODが不明な場合はワーストケース(規制値超過の可能性あり)として扱うといったルールを、AIとは独立したロジックとして実装しています。AIが数値の読み取りを誤らない限り、規制値との比較計算自体はAIの推論ゆらぎの影響を受けません。この二重構造により、AIが計算過程で数値を取り違えるリスクを抑えています。
この設計にしている理由は単純です。「規制値と比較して適合か不適合か」という判定は、本来は決まった計算式に数値を当てはめるだけの単純な算術です。ここをAIの自由記述に任せてしまうと、同じ入力でも出力がわずかに揺らいだり、稀に計算過程を誤る可能性を排除できません。数値抽出のような「揺らぎがあっても人間が確認しやすい作業」はAIに任せ、規制適合の計算のような「一意に決まるべき作業」は決定論ロジックに任せる、という役割分担がCOAガーディアンの基本設計です。
判定項目の一覧
COAガーディアンが提示する主な判定項目は次のとおりです。
- THC規制適合性: Total THCが製品区分別の残留限度値以下か
- 禁止物質の検出有無: HHC・Δ8-THCなど麻薬・指定薬物に該当する成分の検出有無
- ISO/IEC 17025認定: 検査機関が国際規格の認定を受けているか
- 厚労省検査機関リスト照合: 厚生労働省の「Δ9-THC検査可能機関」リストに掲載されているか
- Amazon・楽天出品可否の目安: 各モールの公開ポリシーと日本の規制に基づく目安
LODの取り扱いについては明確なルールがあります。Δ9-THCがND表記であっても、LODが不明または規制値以上であれば、製品区分を問わず「適合を確認できない」=不適合として扱います。一方、HHCなどの禁止物質はND表記であればLOD記載がなくても問題視しません。これはCOAガーディアンが採用する実務判定ルールであり、判定の根拠として結果画面に理由が表示されます。
現在はベータ版・判定は参考情報です
COAガーディアンは現在ベータ版として無料で提供しており、判定結果はAIによる解析に基づく参考情報です。法的助言や適合性の保証ではないため、実際の輸入可否・販売可否は、厚生労働省のガイドライン確認や専門家への相談のうえで最終判断してください。
判定ロジックがどのようなケースで限界を持つかは、AI COAチェックの限界:自動判定を過信してはいけないケースで具体的に解説しています。セルフチェックの手順そのものを知りたい方はCOAセルフチェック7ステップもあわせてご覧ください。
実際にCOAをアップロードして判定を試したい方は、COAガーディアンから無料でご利用いただけます。
まとめ
COAガーディアンの判定は、AIによる柔軟な読み取り能力と、決定論的ロジックによる正確な計算処理を組み合わせた二重チェック構造で成り立っています。
☐ PDF読み取り→数値抽出→単位正規化→区分別照合→ラボ照合の5段階を経て判定される ☐ THCの規制適合計算はAIではなく決定論的ロジックが担当する ☐ LOD不明のND表記は区分を問わず不適合扱いになる ☐ 判定結果は参考情報であり、最終判断は専門家・行政への確認を推奨する
よくある質問
COAガーディアンはAIだけで合否を判定していますか?
いいえ。AIはPDFからの数値抽出を担い、THCの規制適合計算は決定論的なロジックで別途処理する二重チェック構造です。
判定にはどれくらい時間がかかりますか?
COAのPDFをアップロードしてから、通常1〜2分以内に判定結果が表示されます。
判定結果は法的な保証になりますか?
なりません。AIによる解析に基づく参考情報であり、最終的な適合性判断は厚生労働省の情報確認や専門家への相談を推奨します。
英語で書かれたCOAも判定できますか?
対応しています。海外ラボ発行の英語COAも読み取り、日本の規制基準に照らして判定します。
ND表記でもLODが不明な場合はどう判定されますか?
LODが不明または規制値以上の場合、ND表記であっても製品区分を問わず「適合を確認できない」として不適合扱いになります。
出典・参考情報
執筆: COAガーディアン編集部(運営: Asabis株式会社)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の輸入可否・規制適合性・出品可否については、厚生労働省等の一次情報の確認や専門家へのご相談のうえでご判断ください。
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