輸入時のCOAと出品審査のCOAは別物:違いを整理

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この記事の要点

  • 輸入時のCOAは原料・ロット単位、EC出品審査のCOAは最終製品・ASIN単位が基本で、目的が異なります
  • 1枚のCOAで両方を済ませようとすると、出品審査の段階で追加書類を求められることがあります
  • 輸入前とEC出品準備の両方で、必要なCOAの粒度を事前に整理しておくことが手戻り防止につながります

「輸入のときにCOAを提出したのだから、そのままAmazonや楽天の出品審査にも使えるはずだ」という誤解は少なくありません。しかし、輸入前確認とEC出品審査では、COAに求められる粒度や目的が異なります。この違いを理解せずに準備を進めると、出品審査の段階になって初めて追加書類の提出を求められ、販売開始が遅れる原因になります。本記事では、両者の要件の違いを比較表で整理します。

輸入時のCOAは何を確認するためのものか?

輸入前確認(麻薬非該当性確認)で求められるCOAは、麻薬取締部に対して「この製品が麻薬に該当しないこと」を示すための書類です。対象は多くの場合、原料またはロット単位の分析結果で、次の項目が求められます。

  • Δ9-THC・CBDの分析結果
  • 分析日
  • ロット番号
  • 分析者の署名・肩書
  • 分析方法と検出限界(LOD)

必要書類の詳細はCBD輸入の必要書類チェックリスト、事前確認の申請フロー全体はCBD輸入前確認の実務ガイドで解説しています。

EC出品審査のCOAは何を確認するためのものか?

一方、Amazon・楽天等のECモールが出品審査で求めるCOAは、販売する最終製品が日本の残留限度値以内であることを示すための書類です。多くの場合、ASINやSKU単位で提出が求められ、原料段階の分析結果だけでは足りません。

  • Amazon.co.jp: ASIN単位でのCOA提出(Δ9-THC残留値が確認できるもの)が求められ、特定不正物質スクリーニング証明書の提出も必要です。FBA(フルフィルメント by Amazon)は利用できません
  • 楽天市場: ISO/IEC 17025認証機関または厚生労働省掲載の検査機関が発行したCOAであること、判読可能で黒塗り等の加工がないこと、製品区分ごとの残留限度値以内であることが明示されている必要があります

モールの審査要件は改定されることがあるため、申請直前には出店者向け管理画面(Seller Central・RMS)内の最新情報を必ず確認してください。

輸入用COAと出品審査用COAの違いを比較する

両者の違いを整理すると、次のようになります。

観点 輸入時のCOA EC出品審査のCOA
主な確認目的 麻薬に該当しないことの確認 最終製品としての残留限度値適合の確認
単位 原料またはロット単位が基本 最終製品(ASIN・SKU)単位が基本
提出先 麻薬取締部(メール照会) Amazon Seller Central・楽天RMS等
求められる検査機関 明確な指定はないが分析方法・LODの記載が必須 ISO/IEC 17025認証機関または厚労省掲載ラボが実務上の目安
法的位置づけ 事前確認自体は任意(法定事項ではない) モール規約に基づく審査(モールごとの内部基準)

なぜ1枚のCOAで両方を済ませようとすると失敗するのか?

よくある失敗パターンは、輸入時に取得した原料段階のCOAを、そのままEC出品審査にも流用しようとするケースです。原料の分析結果と最終製品(配合・希釈後、あるいはOEMで製造した後)の分析結果は、成分濃度が異なる場合があります。特に次のようなケースで問題が起きやすくなります。

  • 希釈・配合を経て最終製品化する場合: 原料のTHC濃度が基準内でも、配合比率によって最終製品の濃度は変わります。原料COAだけでは最終製品の適合を証明できません
  • OEM製造を委託している場合: 製造委託先が原料を仕入れる際のCOAと、完成品としてのCOAは別の書類です。出品審査では完成品のCOAが求められます
  • モールが求める検査機関の要件が異なる場合: 輸入前確認では検査機関の指定はありませんが、楽天市場はISO/IEC 17025認証機関または厚労省掲載ラボの発行を求めています。輸入時に使った検査機関がこの要件を満たしているとは限りません

これらを避けるには、輸入計画の段階で「輸入用のCOA」と「出品審査用のCOA」を別工程として整理し、それぞれ必要なタイミングで取得する計画を立てることが実務的です。出品審査に向けた書類の事前セルフチェックはモール審査用COAの準備チェックリストにまとめています。

まとめ:輸入とEC出品でCOAを使い分けるためのチェックリスト

☐ 輸入前確認に使うCOAが原料・ロット単位であることを理解している ☐ EC出品審査には最終製品(ASIN・SKU)単位のCOAが別途必要になる可能性を織り込んでいる ☐ OEM製造の場合、原料COAと完成品COAが別の書類であることをサプライヤー・製造委託先と共有している ☐ 出品予定のモールが求める検査機関の要件(ISO/IEC 17025認証等)を確認した ☐ 輸入スケジュールと出品準備スケジュールを分けて計画している

輸入と出品準備を一体の工程として捉えると混同しやすいため、それぞれ必要なCOAの粒度を分けて管理することをおすすめします。全体のコンプライアンス工程はCBD製品コンプライアンスチェック完全ガイドを参照してください。

よくある質問

輸入用に取得したCOAをそのままAmazon出品審査に使えますか?

使える場合もありますが、単位(原料単位か最終製品単位か)や検査項目がモールの要件と一致しているか確認が必要です。一致しない場合は追加のCOA取得が必要になります。

輸入時のCOAとEC出品用のCOAは、なぜ別物になるのですか?

輸入時のCOAは原料またはロット単位で麻薬非該当性を確認する目的、出品審査用のCOAは最終製品(ASIN・SKU)単位で残留限度値を満たしているかを確認する目的で、それぞれ求める粒度が異なるためです。

OEMで製造した場合、原料のCOAだけで出品審査は通りますか?

原則として通りません。多くのモールは最終製品としての検査結果を求めるため、原料段階のCOAとは別に最終製品のCOAが必要になるのが一般的です。

出典・参考情報

執筆: COAガーディアン編集部(運営: Asabis株式会社)

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の輸入可否・規制適合性・出品可否については、厚生労働省等の一次情報の確認や専門家へのご相談のうえでご判断ください。

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