CBD規制動向2026:事業者が押さえるべき変化まとめ
この記事の要点
- 2024年12月の改正大麻取締法施行で部位規制から成分規制(残留限度値)へ転換した
- 2025年10月にHHC等が麻薬指定、2026年6月にCBNが指定薬物化と、個別カンナビノイドの規制が段階的に進んでいる
- CBD自体は規制対象外のまま。事業者は「今何が禁止対象か」を都度確認する運用が必要
CBDを取り巻く規制は、2024年12月の大規模改正以降も個別のカンナビノイドを対象とした指定が続いています。本記事では2024年末以降、2026年7月時点までの主要な変化を時系列で整理し、事業者が押さえておくべきポイントをまとめます。年次更新型の記事として、規制動向の変化に応じて随時更新します。
2024年12月:部位規制から成分規制への転換
改正大麻取締法は2024年12月12日に施行されました。それまでの大麻取締法は、大麻草の「部位」(茎・種子は規制対象外、葉・花穂は規制対象)を基準とする規制でしたが、改正後はΔ9-THCの「残留量」を基準とする成分規制に転換しています。
これに伴い、最終製品の形状ごとにΔ9-THC残留限度値が設定されました。油脂10ppm、粉末10ppm、水溶液(飲料)0.1ppm、その他(グミ・菓子・化粧品等)1ppmという区分です。区分ごとの詳しい考え方は日本のTHC残留限度値:販売前に事業者が確認すべきことで解説しています。
2025年3月:改正法の第二段階施行
改正大麻取締法は2025年3月1日に第二段階の施行を迎えています。大麻の「使用」に対する罰則の適用など、2024年12月時点では見送られていた部分の運用が開始されました。事業者としては、製品の残留限度値だけでなく、周辺制度の施行スケジュールも合わせて把握しておく必要があります。
改正法は複数の施行日に分けて段階的に運用が開始される設計になっているため、「改正法は施行済みだから対応完了」と一括りに捉えるのではなく、どの条文がいつから適用されるのかを条文単位で確認する視点が実務上重要です。
2025年10月:HHC等の合成カンナビノイドが麻薬指定
2025年9月3日、HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)を含む複数の物質を麻薬に指定する政令が公布され、2025年10月3日に施行されました。これらの物質はそれ以前、指定薬物として製造・輸入・販売等が規制されていましたが、麻薬指定によってさらに規制が強化されています。
COAの判定実務としては、HHC等の禁止物質はΔ9-THCのような残留限度値の考え方ではなく、検出された時点で区分を問わず販売不可という整理になります。禁止カンナビノイドがCOAの分析項目に含まれていない場合の考え方は禁止カンナビノイドがCOAに載っていない時の考え方(HHC・THCP等)で扱っています。
2026年3月〜6月:CBNの指定薬物化
2026年3月18日、厚生労働省はCBN(カンナビノール)を指定薬物に指定する省令を公布しました。施行日は2026年6月1日で、この日以降CBNを含む製品の製造・輸入・販売・所持・使用等が原則禁止されています。CBNは大麻草由来のカンナビノイドの一種で、経年劣化したTHCの分解物として生成されることもある成分です。CBD製品のうち、CBNを含む設計(フルスペクトラム系等)の製品を扱っていた事業者は、切替・在庫対応が必要になった代表的な事案です。
時系列まとめ
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年12月12日 | 改正大麻取締法施行。部位規制→成分規制(残留限度値導入) |
| 2025年3月1日 | 改正法の第二段階施行 |
| 2025年10月3日 | HHC等の合成カンナビノイドが麻薬に指定 |
| 2026年6月1日 | CBNが指定薬物に指定 |
事業者はどう対応すればよいか?
一連の変化に共通するのは、「CBD自体は規制対象外のまま、個別のカンナビノイドが順次規制対象に追加される」という構図です。ここから導かれる実務上の対応は次の3点です。
☐ 自社製品に含まれるカンナビノイドを成分単位で把握する(フルスペクトラムか、特定成分を意図的に添加しているか等) ☐ 新たな指定薬物・麻薬指定の情報を継続的に監視する(規制の最新情報をどう追うかを参照) ☐ 施行日が確定した時点で、在庫・販売終了のスケジュールを前倒しで計画する
今後の見通しをどう捉えるか
個別のカンナビノイドへの規制指定は、精神作用や保健衛生上のリスクに関する知見の蓄積に応じて順次判断されるプロセスです。特定の成分が次にどう扱われるかを事前に断定することはできませんが、過去の指定パターン(指定薬物としてまず規制し、リスクの確認が進んだ段階でより規制の強い麻薬指定へ移行する等)を踏まえると、新規性の高いカンナビノイドを扱う際は、既存の指定薬物・麻薬のリストとの類似性を意識しておくことが実務上の備えになります。
まとめ
2024年12月の大規模改正以降、CBD関連規制はΔ9-THCの残留限度値の運用に加え、HHC・CBN等の個別カンナビノイドへの規制拡大という形で続いています。CBD自体が規制対象外である一方、製品に含まれる他の成分によって規制の適用有無が変わるため、成分単位での自社製品の把握と、継続的な情報監視が実務上の対応になります。事業立ち上げ全体のチェック項目はCBD事業の始め方:法規制コンプライアンス完全チェックリストで網羅的に扱っています。
COA Guardianでは、アップロードされたCOAの分析項目からΔ9-THC残留限度値の適合状況、および禁止物質の検出有無を確認できます(無料・ベータ版)。規制対象の追加があった際は、判定ロジックの更新をもって対応しています。
よくある質問
2026年時点でCBD自体は規制対象になっていますか?
CBD自体は規制対象外です。規制の焦点はΔ9-THCの残留限度値、および個別に指定される特定のカンナビノイド(HHC・CBN等)にあります。
CBN規制はいつから、何が禁止されますか?
CBNは2026年3月18日公布の省令により指定薬物に指定され、2026年6月1日から製造・輸入・販売・所持・使用等が原則禁止されています。
HHCはいつから麻薬扱いになりましたか?
HHCを含む複数の物質は2025年9月3日公布の政令により、2025年10月3日から麻薬に指定されています。
今後さらに規制対象が広がる可能性はありますか?
個別のカンナビノイドについて、精神作用や保健衛生上のリスクが確認され次第、指定薬物・麻薬への指定が追加される運用が続いています。特定の物質を今後の規制対象と断定はできませんが、継続的な監視が実務上必要です。
出典・参考情報
執筆: COAガーディアン編集部(運営: Asabis株式会社)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の輸入可否・規制適合性・出品可否については、厚生労働省等の一次情報の確認や専門家へのご相談のうえでご判断ください。
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