禁止カンナビノイドがCOAに載っていない時の考え方
この記事の要点
- COAの検査パネルに含まれていない禁止カンナビノイドは「非検出」ではなく「未検査」であり、含有していないことの証明にはなりません
- HHC・Δ8-THC・THCP等は麻薬または指定薬物として規制されており、検出されれば区分を問わず出品不可です
- 網羅的な検査は現実的ではないため、未検査そのものを理由に判定を下げる必要はありませんが、主要物質の検査は推奨されます
CBD製品のCOAをチェックする際、Δ9-THCの数値だけを見て「問題なし」と判断してしまうケースがあります。しかし、HHC・Δ8-THC・THCP等の禁止カンナビノイドがCOAの検査項目に含まれていない場合、それは「検出されなかった」のではなく「そもそも検査していない」だけです。この違いを理解していないと、実際には禁止物質を含む製品を見落とすリスクがあります。
「検査パネルにない」と「非検出」はなぜ違うのか?
COAには、検査機関が実際に分析した項目とその結果のみが記載されます。Δ9-THC・Δ9-THCAが「ND」と記載されていても、それはあくまでその2物質についての結果です。HHCやTHCPの検査結果欄自体がCOAに存在しない場合、その製品にHHCやTHCPが含まれているかどうかは、そのCOAからは一切分かりません。
「COAに書かれていないから入っていないはずだ」という解釈は誤りです。判定にあたっては、COAにその物質の検査結果が記載されている場合に限り、NDであることを確認するという考え方が実務上の対応です。
どの物質が麻薬・指定薬物として規制されているか
日本では、Δ9-THC以外にも複数のカンナビノイドが麻薬または指定薬物として規制されています。これらは残留限度値の対象ではなく、検出されれば製品区分を問わず違法という扱いです。
麻薬として規制(製造・輸入・販売・所持が違法):
- HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)※2025年10月3日に指定薬物から麻薬へ格上げ
- Δ8-THC
- THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)※加熱でΔ9-THCになる「みなし麻薬」扱い
- THCO / THC-O(Δ9・Δ8とも)
指定薬物として規制(製造・輸入・販売・所持・使用が禁止):
- HHCH、HHCO、HHCP、HHCPM
- THCH(Δ9・Δ8とも)、THCP(Δ9・Δ8とも)、THCOP
- THCV、THCB、THCJD(側鎖炭素数C3〜C8の包括指定に含まれるTHC類似体)
- CBN(カンナビノール)※2026年6月1日施行で指定薬物に追加
CBNについては「非向精神性の成分」という認識が広まっていますが、厚生科学審議会が精神毒性のリスクを認定したことにより、2026年6月1日から指定薬物として規制対象になっています。この改正以前に発行されたCOAでCBNの検出値が記載されている場合でも、現時点での流通は認められません。
網羅検査は現実的か?未検査をどう扱うべきか
上記のとおり規制対象物質は多岐にわたり、これらすべてを毎回のロットで網羅的に検査することは、コストと納期の両面で現実的ではありません。したがって、「未検査であること」自体を不適合や要確認の理由にする必要はありません。Δ9-THCが適合しており、検査済みの禁止物質がすべてNDであれば、他に未検査の項目があっても、それだけで判定を下げる必要はないというのが実務上の考え方です。
一方で、安全確認の観点からは、HHC・Δ8-THC・THCP・THCH・CBNといった主要な麻薬・指定薬物カンナビノイドについて、少なくとも定期的に検査を行うことをおすすめします。特に、合成・半合成カンナビノイドの混入は原料の由来や製造工程によってリスクが変動するため、原料の切り替え時や新規サプライヤーとの取引開始時には確認しておくと安心です。
実務での確認フロー
COAを受け取ったら、次の順で確認します。
☐ COAの検査項目一覧に、HHC・Δ8-THC・THCP・THCH・CBN等の主要物質が含まれているか確認する ☐ 含まれている項目については、すべてNDであることを確認する(LOD/LOQの数値記載は不要) ☐ 含まれていない項目については、「未検出」ではなく「未検査」として扱い、判定材料にしない ☐ 主要物質が長期間未検査の場合は、追加検査の依頼を検討する
これらの物質にはLOD/LOQの記載要件がない点は、Δ9-THCの判定基準(LOD/LOQ未記載のCOAで適合判定してよいかを参照)とは異なる点にも注意してください。Δ9-THCの区分別限度値については日本のTHC残留限度値にまとめています。
規制対象カンナビノイドは今後も追加・変更される可能性があります。継続的な情報収集の方法は規制改正をどう追うかで解説しています。コンプライアンス対応全体の地図はCBD製品コンプライアンスチェック完全ガイドにまとめています。
COA GuardianではアップロードされたCOAをAIが解析し、検査済みの禁止カンナビノイドの検出有無を含めて自動チェックします。トップページから無料でお試しいただけます。
まとめ
COAの検査パネルに含まれていない禁止カンナビノイドは、「非検出」ではなく「未検査」として扱う必要があります。HHC・Δ8-THC・THCP等は麻薬または指定薬物として規制されており、検出されれば区分を問わず違法です。網羅的な検査は現実的ではないため未検査自体を問題視する必要はありませんが、主要物質の定期的な検査は安全確認として有効です。
よくある質問
COAに載っていない物質は、含まれていないと考えてよいですか?
いいえ。検査パネルに含まれていない物質は「非検出」ではなく「未検査」であり、含有の有無を判断する材料にはできません。
すべての禁止カンナビノイドを毎回検査する必要はありますか?
網羅的な検査は現実的ではなく、未検査であること自体を不適合の理由にする必要はありません。ただし主要な物質は検査を推奨します。
HHCは今も指定薬物ですか?
いいえ。HHCは2025年10月3日に指定薬物から麻薬に格上げされており、現在は麻薬として規制されています。
出典・参考情報
執筆: COAガーディアン編集部(運営: Asabis株式会社)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の輸入可否・規制適合性・出品可否については、厚生労働省等の一次情報の確認や専門家へのご相談のうえでご判断ください。
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